内田樹を読んでしまうわけ。
私が「感情を抑制する」人間であると聴くと驚く人がいるかも知れないが、実は驚くべきことに私は喜怒哀楽の感情を外に出さないことに心理的資源の大半を日々費やしている人間なのである。
私の内面に渦巻く感情の激烈さは「こんなもの」じゃない。
それを力ずくで抑制して「こんな程度」に収めているのである。
若い頃は「ウチダは自分の感情をあらわにしない。思っていることをそのまま口に出して言ったらどうか」と多くの人に責め立てられたものである。
〜中略〜
私は内心を吐露することよりも「みんなといっしょに楽しくやりたかった」のである。
それでいいじゃない。
「自分を偽ってでもみんなと仲良くしたい」というのが私の根源的趨勢であった。
〜以上、引用〜
『寝ながら〜』以来、なんだかんだで内田樹氏の文章を読んでしまうわけは、ここにある気がする。