HEDWIG AND THE ANGRY INCH @ ZEPP東京

スゴイ舞台だった。


今年のベストONEになるかもしらん、そんな舞台。


映画とはまったく別の、そしてそれ以上ともいえるヘドウィグを三上博史は創造した。


彼はやはりスゴイ役者だよ。


このロックミュージカル、構成もさることながら、そもそも楽曲がとてもよいのだ。


ヘドウィグの無理矢理切り裂かれた身体は、そして魂は、そのまま東と西に分断されたドイツの象徴であり、ヘドウィグの人生を通り過ぎる男たちは略奪と支配、つまり権力を持つ者の象徴でもあり、つまるところアメリカの象徴であったりもする。


ヘドウィグというグロテスクなまでに美しく、そしてとてつもなく哀しい存在は、そのまま寺山修司に見出された少年という地点から、否応なく歩むことになったであろう三上博史という役者個人の人生とも重なって見えて、その切なさを増す。


明日、千秋楽。